インプラントやらなきゃよかった!と後悔しないために気を付けるべきポイントを解説

インプラントやらなきゃよかった!と後悔しないために気を付けるべきポイントを解説

「しっかり噛めること」「他の歯に負担をかけないこと」「顎の骨が痩せにくいこと」などから、人工歯根を埋め込んで失った歯を補填するインプラント治療を検討している方も少なくないでしょう。

ただインプラント治療にはメリットだけでなく、注意しておかなければならないデメリットやリスクも存在します。
今回は治療を受けた後に「やらなきゃよかった」と後悔しないよう、インプラント治療で気を付けるべきポイントについて解説します。

やらなきゃよかった…と後悔するインプラントのトラブル事例

インプラントを巡るトラブル事例は意外と多く、独立行政法人 国民生活センターの発表によると、インプラントによって危害を生じたという相談件数は2013年度以降の約5年間で409件寄せられています。

出典:独立行政法人 国民生活センター:あなたの歯科インプラントは大丈夫ですか-なくならない歯科インプラントにかかわる相談-

トラブルの内容はケースによって異なりますが、ここではよくありがちなトラブル事例を3つにわけてご紹介します。

1.治療前の検査・確認不足によるトラブル

インプラントは外科手術をともなう治療法ですので、あらかじめ患者の健康状態や既往症、服薬状況などを確認しておく必要があります。
中でも以下のような疾患・持病などがある方は、術後の健康状態に悪影響を及ぼす可能性があるほか、インプラント治療の成功率も低くなるため、治療を見合わせることがあります。

出典:厚生労働省:安心してインプラント治療を受けるために

出典:厚生労働省:歯科インプラント治療指針

● 心筋梗塞
● 狭心症
● ぜんそく
● 肝炎(ウイルス性含む)
● 腎炎
● 糖尿病
● 骨粗鬆症
● 脳梗塞
● 関節リウマチ
● 金属アレルギー
● うつ病
● その他悪性腫瘍
● 投与薬剤による問題(ビスフォスフォネート系薬剤、ステロイド薬、抗血栓療法薬など)

歯科ではこれらの疾病・疾患などについて診断できないため、施術前に患者に対して健康状態や服薬の有無などを確認する必要がありますが、「相談に行った次の予約日にいきなり手術をされ、出血が止まらなくなった」「インプラント治療のリスクが上がる骨粗鬆症の薬を服薬しており、事前にお薬手帳を渡していたが、そのまま治療された」など、十分な説明を受けないままインプラント治療をされるケースも報告されています。

前者は出血が止まらず入院、後者は顎の骨が腐食し始めるというトラブルにそれぞれ見舞われており、深刻な状況に陥る可能性もあります。

2.医師の技量不足によるトラブル

インプラントでは人工歯根を埋め込む外科手術をともなうのはもちろん、それを支台にして失われた歯を補うための治療が行われるため、インプラント周囲組織のメンテナンスなどをしっかり行う必要があります。

そのためインプラント治療を実施する医師には、基礎歯科医学をはじめ、口腔外科学や歯周病学、全身医学など、幅広いジャンルの知識と治療技術が求められます。

ところが実際には十分な知識・技術を伴わない医師がインプラント治療を行うケースもあり、「インプラント治療後に頭痛がして、調べたらインプラントの埋め方が浅いことが原因だった」「インプラント手術で下あごから削った骨を上顎に移植する手術の際、鼻腔底が割れて出血し、入院となった」などの相談事例も報告されています。

3.インプラントの欠損、周囲炎などのトラブル

インプラントの寿命がどれくらいかと言う回答は一概に言えませんが、一般的に10~15年の生存率は90%以上といわれています。

ただし患者の体質や術後のメンテナンス状況によっては、短期間でインプラントの欠損、動揺、脱落や、インプラントの上部構造である補綴修復物の破損といったトラブルが発生することもあります。

またインプラント周囲の粘膜に炎症が起こり、痛みや腫れに悩まされる事例も報告されています。

原因はさまざまで、埋入手術における不十分な初期固定、スクリューのゆるみ、歯ぎしり、ドリル使用時に発生する摩擦熱による骨の火傷(オーバーヒート)などが挙げられます。

出典:厚生労働省:厚生労働省委託事業『歯科保健医療情報収集等事業』歯科インプラント治療のための Q&A

インプラントをやらなきゃよかった…と後悔しないための対策法

インプラントは現時点で健康保険の適用がきかない自由診療なので、1本につき40万円ほどの治療費がかかります。

出典:データからみるインプラント | 公益社団法人日本口腔インプラント学会

またインプラント治療に失敗すると、見た目が悪くなって再治療を余儀なくされたり、健康状態に悪影響を及ぼしたりする原因となります。
失敗リスクをなるべく軽減するためにも、インプラント治療を検討する際は以下の点に注意しましょう。

1.病院選びは入念に行う

インプラント治療で後悔する原因のほとんどは、病院選びの失敗によるものです。

日本国内では多くの歯科がインプラント治療を行っていますが、医師の知識や技量、院内設備は病院によって大きな差があります。

インプラント治療に関して豊富な知識・技量・実績がない医師が担当すると、事前の説明や検査が不十分だったり、不適切な施術を行ってトラブルを誘発したりする可能性があります。

特にインプラント治療は、入れ歯やブリッジなどの施術に比べると難易度の高い治療法なので、安心して施術を任せられるよう、病院選びは念入りに行う必要があります。
病院を選ぶ際にチェックしたい主なポイントは以下の通りです。
● 相談、カウンセリング時に、デメリットやリスクも含めた十分な説明を行ってくれるか
● CTレントゲンなど、必要な設備が整っているか
● 口腔内全体の治療に対応しているか
● インプラント治療に関して豊富な実績があるか
インプラント治療を安全に行うためには、事前に骨の形や状態を的確に把握し、患者一人一人に適した治療計画を立てなければなりません。
そのためには、歯や顎の骨の状態を調べるための検査が必要不可欠ですので、CTレントゲンなどの設備が整っている病院を選ぶことが大切です。
また虫歯や歯周病を患っている状態では術後のトラブルが発生しやすいため、事前にしっかり治療を行う必要があります。
術後に炎症などが起こるリスクも考えると、インプラント治療だけでなく、口腔内全体の治療に対応している病院かどうかも重視したいところです。
これらの情報は歯科医院のホームページなどで確認できますが、相談・カウンセリング時にわからないことや不安なことを直接尋ねた方が、より正確な情報を得られるでしょう。

2.日常的なメンテナンスを欠かさない

インプラントを長持ちさせるためには、定期的なメンテナンスが必要不可欠です。
点検やメンテナンスを怠ると、短期間でインプラントの欠損や動揺、脱落といったトラブルが発生するリスクが高くなるほか、歯周病の発症・悪化の要因となることもあります。
インプラント治療が終わった後も定期的に歯科に通い、不具合やトラブルは発生していないかチェックしてもらい、必要に応じて治療やメンテナンスを受けるようにしましょう。
もちろん日常生活でも口腔内を清潔に保つよう、きちんとオーラルケアを続けることが大切です。

「やらなきゃよかった」と後悔しないために、信頼できるクリニックを選ぼう

インプラント治療は、ブリッジに比べると他の歯への負担が少なく、かつ入れ歯よりも噛む機能に優れていることから、治療を受けた患者の満足度は8割以上と高い数値をマークしています。

一方で、医師の知識・技量・実績不足から、治療に失敗してトラブルが発生する事例も少なからず存在しています。

特に病院選びを誤るとトラブルリスクが高くなりますので、カウンセリング時の対応や院内設備、医師としての知識・技量・実績などをよく確認した上で信頼できるクリニックを探すことが大切です。

不安や疑問が残る場合や、納得できない点がある場合は、カウンセリングを受けた後でも治療を見合わせ、他のクリニックに相談することをおすすめします。

この記事の筆者

いのうえまさとし歯科医院

いのうえまさとし歯科医院

京都の「いのうえまさとし歯科医院」はインプラントを得意とする歯科医院です。20年間で7500件以上の治療実績があり、大手インプラントメーカー2社の公認インストラクターである院長が、あらゆる症例のインプラントのご相談を承ります。
またマウスピース矯正、ホワイトニング、一般歯科など幅広く対応しております。

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