良く耳にする「知覚過敏」とは①
「知覚過敏」という言葉を聞いたことはありますか。
テレビ、新聞、雑誌などでよく使われている言葉ですが実際にどのようなことを意味しているのでしょうか。
誰にでも起こりやすい歯のトラブルの一種であるため詳しく知らないという方は、この機会にぜひお読みください。
●知覚過敏とは
冷たい・熱い物を食べたときや、歯磨きなどの刺激を受けた時に歯がしみるような感じになったことはありませんか。
この状態が、いわゆる知覚過敏です。
20代~50代の方に起こりやすい症状で、むし歯などとは異なり、外部からの刺激がなくなると痛みも落ち着くのが特徴です。
痛みを感じてしまうからと、その場所の歯磨きをおろそかにすることでむし歯や歯周病などの他の病気にかかってしまうリスクがあります。
現在痛みがある方は、なるべく早めに治療を行うようにした方が良いでしょう。
●知覚過敏の原因
歯は、外側につるつるとしたエナメル質が、内側には象牙質が存在しています。
本来は内側にあるべき象牙質が、何らかの原因によって外側に出てしまった時には知覚過敏の症状が起こってしまいます。
このような知覚過敏が起こる原因としては二つの大きな状態が関わっています。
それぞれについて、どのようなことであるかを確認していきましょう。
・エナメル質が削れる
歯ぎしりのクセがある方や、手に力を入れすぎて歯を磨いてしまう時など何らかのきっかけによって歯が傷ついてしまった時には、歯の外側にあるエナメル質が物理的に削られてしまうことがあります。
また、エナメル質は、酸性の強い物によって溶かされてしまうことがあります。
ワインやジュース、オレンジ、トマト、いちごなど酸性の強い飲食物をよく摂る時には、エナメル質が削られやすくなります。
むし歯やホワイトニング治療などを歯科医院で行っている時には物理的に歯を触っていることから、一時的にエナメル質に影響が出ることがあります。
この場合は、一時的に歯が敏感になっていることが多く、痛みを感じたとしてもそこまで問題になることはありません。
もし治療後にも痛みが続くようであれば、再度口の中を確認してもらうようにしましょう。
・歯茎が下がる
健康的な歯茎であれば、キュッと引き締まっているために歯を根元からしっかりと支えられます。
しかし、様々な理由によって歯茎が下がってしまうとエナメル質がカバーしきれていないような歯の根元にある軟らかいセメント質が露出して、歯の内部にある象牙質がむき出しになってしまうことがあります。
この状態は加齢によっても起こります。
また、日々の歯磨きで、歯茎に過度な刺激を与えてしまった時には下がってしまう以外に出血や炎症の原因にも繋がります。
さらに歯周病を発症してしまった時には、歯茎の腫れや出血に加えて歯茎が下がってしまうことがあります。
これらが原因で外からの刺激を受け取りやすい状態になると、神経に過度な刺激が伝わってしまうようになり、痛みを感じやすくなるのです。
●まとめ
知覚過敏は、成人後に発症しやすい歯の病気の一つです。
何らかの刺激を受けた時に、歯に痛みを感じた時には鏡で場所を確認してみるという方もいることでしょう。
知覚過敏ではむし歯のように外見的な特徴がないため自分ではなかなか気がつきにくい疾患です。
日常を過ごしている時に、歯に痛みを一瞬だけ感じるという方はもしかするとむし歯ではなくこの病気にかかっているかもしれません。
ご自身が知覚過敏ではないかと不安に感じている方や痛みが気になるという方は、まずはかかりつけの歯科医院で
定期検診を受けてみることをおすすめします。
今回は、知覚過敏の症状と、原因は何かということについてお話しました。
現在は気になる症状はないけれど知覚過敏が起こらないようにしたいという方は、ぜひ次回の記事もご覧ください。
次回は、知覚過敏のさらに詳しい対処法や予防法など具体的な対策方法についての特集です。
この記事の筆者
いのうえまさとし歯科医院
京都の「いのうえまさとし歯科医院」はインプラントを得意とする歯科医院です。20年間で7500件以上の治療実績があり、大手インプラントメーカー2社の公認インストラクターである院長が、あらゆる症例のインプラントのご相談を承ります。
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