オール・オン4 / オール・オン6
- 総入れ歯でお困りの方
- 重度の歯周病で歯の保存が困難な方
- 手術当日に入れ歯から取り外し不要の歯にしたい方
ここ数十年の間に、インプラントの普及は、目を見張るものがあります。インプラント治療はかなり懐疑的なものでした。
しかし、40年前にブロネマルク博士がインプラントを開発し臨床に応用し、その経過が40年経った今でも問題なく機能していることから、現在の学生のカリキュラムでは、当然の治療手段として教育されています。
(しかしながら、インプラント治療は、手術が伴うため、必ず口腔外科の知識と技術が必要ですが。)
これほどインプラントが普及しても、65歳以上の日本人の約20%の方が、総入れ歯をされています。
入れ歯では、日常生活で、かなりの不便を感じられていることでしょう。実際に、海外旅行する前に入れ歯ではなくインプラントを利用した固定式の歯を作って欲しいと来院される方がいらっしゃいます。
オール・オン4 / オール・オン6とは?
オール・オン4、オール・オン6とは4〜6本のインプラントですべての歯を支える治療法です。
当院ではインプラント体の埋入から仮歯の装着まで1日で行う事ができます 。(最終の被せ物の装着までは3〜4ヶ月ほどかかります。)
今までの入れ歯や人工歯を手術当日までお使いいただき、手術当日、あごの 骨に埋入したインプラントに仮歯を装着してお帰りいただきます。
またノーベルガイドを用いた手術の場合、切開を行わないので術後の出血、 痛み、腫れが少なくなります。
どうして4本、6本で支えられるのですか?
インプラント体を傾斜埋入する事により噛む力を広く均等に配分できます。
※傾斜埋入とは:本来、インプラント体を埋入したい方向ではなく骨のある所を探して、噛む軸とは違う傾斜させた軸を利用してインプラント体を埋入する方法です。
この方法には正確なCT画像が必要です。
解剖学的にも神経嚢に近接した位置への埋入となるため、技術と経験豊富な歯科医師に適応をご相談される事をお奨めします。
※顎の骨の状態によっては本数が多くなることもありますので、治療計画時にご相談ください。
オール・オン4 / オール・オン6と総入れ歯の比較
歯をすべて失った場合や残っている歯を保存することが難しい場合の治療法は、インプラント治療か総入れ歯のどちらかです。
それぞれのメリット・デメリットを十分理解した上で治療法を選択する事が大切です。
オール・オン4 / オール・オン6 | 総入れ歯 | |
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メリット | 噛む力が強い | 手術をしなくて良い |
あごの骨が痩せるのを防ぐ | 保険の場合、費用が少ない | |
発話の改善 | ほとんどの人が適応 | |
隣の歯への負担 | 味覚が損なわれない | |
手術当日に歯が入る | ||
デメリット | 手術が必要 | オール・オン4 / オール・オン6より噛む力が弱い |
残っている歯を抜く必要がある | 安定感が得にくく、外れることがある | |
保険が効かないので費用がかかる | 味覚や食べ物の温度を感じにくい | |
術者に高度な技術が必要なので、手術ができる歯科医院が少ない | 骨が痩せるので入れ歯が合わなくなったり口元が老ける | |
メンテナンスの必要がある | 発音しにくい |
オール・オン4 / オール・オン6のメリット
「総入れ歯と比較して」
■噛む力が強い
総入れ歯は天然歯の3割程度の力だと言われています。オール・オン4 / オール・オン6にすると8〜9割の咬合力を取り戻すことができます。
■あごの骨が痩せるのを防ぐ
あごの骨は歯を失なうと痩せて変形していきます。
インプラントを埋入する事によってあごの骨が痩せるのを抑え、顔が若々しく自然な口元を維持できます。
■発話の改善
口ごもりや不明瞭な発話、カチカチという音の原因となる総入れ歯のズレや外れがなくなります。
■味覚が損なわれない
オール・オン4 / オール・オン6の義歯は口蓋部分を覆わないので異物感がほとんど無く、唾液腺を圧迫しないので味覚が損なわれる事もありません。
「オールインプラントと比較して」
■インプラントの本数を少なくできます。
■手術時間を短縮できます。
■治療費の負担を少なくできます。
■手術当日に噛める歯を入れる事ができます。
オール・オン4 / オール・オン6のデメリット
■手術が必要
■残っている歯があれば、抜く必要があります。
重度の歯周病や、悪くなっている歯しか残っていない場合は抜歯した上でオール・オン4 / オール・オン6を行います。
■保険適用でないので費用がかかります。
■高度な技術を必要とするので対応可能な歯科医師が限られています。
■メンテナンスをしないとインプラント周囲炎を引き起こす事があります。
オール・オン4 / オール・オン6の治療の流れ
1.カウンセリング、検査、治療計画
CT検査、お口の状態、噛み合わせの確認と治療計画、治療期間、費用のご説明をします。
手術後すぐに仮歯を装着出来る様に、あらかじめお口の型を取り、仮歯の作製をします。
2.【手術当日】インプラント埋入手術
上顎または下顎に4本のインプラントを埋入します。
3.【手術当日】
インプラントの埋入手術後仮歯の装着をします
お帰りになったその日に、仮歯でお食事をして頂く事が可能です。
4.最終の補綴物(人工歯)の装着
オール・オン4 / オール・オン6の手術から3〜4ヶ月後に最終補綴物(人工歯)を装着します。
5.定期検診
インプラント本体や人工歯にもプラークや歯石は付着します。定期検診では歯石の除去、各部の点検(ネジの締まり具合、歯茎の状態、噛み合わせの状態)を行います。
オール・オン4 / オール・オン6の治療期間
手術から仮歯の装着は、ほとんどの場合1日ですが、最終補綴物を装着するまでは3〜4ヶ月かかります。
オール・オン4 / オール・オン6の症例
オール・オン4(下顎)とオール・オン6(上顎)をしたケース
40歳代 ⼥性 インプラント(下顎4本、上顎6本)
術式; オール・オン4、6、抜⻭即時埋⼊、即時負荷
インプラント | 40歳代 女性 |
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主訴 |
上下顎の歯が少なくなって、残っている歯も全てぐらぐらして食事が出来ない。 |
治療内容 |
インプラント埋入(下顎4本、上顎6本) 【下顎】 【上顎】 |
治療結果 |
メンテナンスに継続して来院頂き、⼿術後15年以上経過していますが、インプラントの状態は良好です。 |
治療期間 | 5ヶ月 |
治療費用 | 下顎 250万円(税込) 上顎 300万円(税込) |
リスク | 術後の痛み、腫れ。 |
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初診時 正面
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治療後 正面
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初診時 左側
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治療後 左側
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初診時 右側
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治療後 右側
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術後上顎(オール・オン6)
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術後下顎(オール・オン4)
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手術当日 仮歯
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術後レントゲン
術後15年以上が経過していますが、インプラントの状態は良好です。
いのうえまさとし歯科医院へのアクセス
京都市営地下鉄烏丸線「北大路駅」より徒歩20分