インプラントのリスク
インプラントのリスク
インプラントは外科手術を伴う治療ですので、一定のリスクがあります。
治療法を選択する前に、メリットだけでなくデメリットやリスクについても確認しておく必要があります。
《手術に伴うリスク》
オーバーヒート
インプラントを骨に埋入する際、ドリリングに対する注水が不十分だと骨がやけどした様な状態(オーバーヒート)になってしまいます。
オーバーヒートによって壊死した骨はインプラントがしっかり結合せずに抜け落ちてしまう事があります。
血管や神経、上顎洞の損傷
手術前にCT撮影画像をもとに計画を立てなければ、インプラントを骨に埋入する際に血管や神経を傷つけてしまう事があります。
手術計画の段階で骨の厚みや質、血管や神経の走行を把握しておかないと、まれに上顎洞という鼻の左右にある空洞(副鼻腔の一つ)にインプラントが突き抜けたり、大きな血管と神経の通る下顎管を傷つけることがあります。
これらのリスクは手術前にCT撮影を行い精密に手術計画を立てる事によって避けることが可能です。
細菌感染
手術器具の消毒滅菌が不十分であったり、術前、術後の患者様の口腔内の状態によっては手術の傷口から細菌感染を起こすことがあります。
当院では術後感染を予防するために抗生剤を処方しております。
患部の腫れやアザ
術後に患部が大きく腫れたり、アザが現れることがあります。
しかし、ほとんどは時間が経過するにつれて症状は改善していきます。
《その他のリスク》
インプラント周囲炎
インプラント治療後には定期的なメンテナンスが必要です。
インプラント周囲に付着したプラークを放置すると歯周病菌に感染してインプラント周囲炎を起こし、歯周病の様に骨が溶けてインプラントがグラグラしたり脱落してしまいます。
インプラントを長くお使いいただくには、正しいメンテナンス方法を理解してケアする事が大切です。
全身疾患のある方
心臓や糖尿病の方のインプラント治療は主治医の先生との連携が必要です。
糖尿病で血糖値が高い方は傷が治りにくく、免疫系細胞の活動が低下するので、歯周病菌への感染リスクが高くなります。血糖値が安定すればインプラントの治療も可能になるため、主治医の先生ともよく相談して手術を行います。
服用されているお薬についても必ず事前にお話し下さい。
上部構造によるもの
インプラント上部構造の人工歯は陶材(セラミック)ですので、割れることがあります。この場合は上部構造を作り直すことが可能です。
またインプラントのネジが緩んだり破折が生じることがあります。いずれも手術後のメンテナンスに来て頂くことによってトラブルを起こす可能性を抑えることが出来ます。
骨とインプラントが接合しない
オーバーヒート以外に、骨粗鬆症などの場合やでも骨との接合がうまくいかないことがあります。
金属アレルギー
インプラント体のほとんどは金属アレルギー反応を起こしにくいチタンという金属を使用しています。しかし、チタンにもアレルギーはあるため、金属アレルギーをお持ちの方は予めパッチテストを受けられることをお勧めします。
インプラントの破損
寝ているときの歯ぎしりや食いしばりは、とても強い力が発生しているため、インプラントの破損に繋がることがあります。歯ぎしりは天然の歯でもインプラントでも破損の原因になりますのでマウスピースを作成し、就寝時には歯を保護することをお勧めします。
当院のインプラント治療
当院のインプラント治療では必ずCT撮影画像で患者様の顎の骨の状態を確認して、精密な手術計画を立てた上で安全で正確な手術を行なっています。
手術器具の滅菌消毒を始め、徹底した衛生管理にも取り組んでおります。
インプラント治療は手術で終わりではありません。インプラント周囲炎を予防するための口腔ケアとメンテナンスを1年に2〜3回、おすすめしています。
インプラント治療前の確認事項
次の方はインプラント治療が出来ない場合があります。
●重度の歯周病の方
●チタン(タイタニウム)に対する金属アレルギーのある方
●重篤な全身疾患のある方、糖尿病のコントロールが良くない方
心臓病や糖尿病の方のインプラント治療は主治医の先生との連携が必要です。
服用されているお薬についても必ず事前にお話しください。
いずれの場合も、状態によっては可能な場合もありますのでご相談下さい。
いのうえまさとし歯科医院へのアクセス
京都市営地下鉄烏丸線「北大路駅」より徒歩20分